September 23, 2012

世迎い (ユーンカイ)

本日は旧暦の8月8日。
竹富島では「世迎い」の神事が執り行われています。

竹富公民館執行部と神司は、
午前7時にまちなみ館を出発し、
西桟橋とコンドイ浜の間にある
ニーラン神石の前を参詣します。
そこで祈願を捧げたのち、
「トンチャー」を謡います。

0923yuhnkai.JPG

(ta)

世迎いに欠かすことのできない
「トンチャー」は、
口承伝承であるゆえに、
集落や各家庭で節の順番が異なっているため、
平成21年2月17日、
竹富公民館によって
世迎いの神事で謡う“うた”が取り決められています。

今回は「トンチャー」の歌詞をみなさまにご紹介します。

「トンチャー」

1. アガトカラ クルフニヤ
  バガイヌ トゥンチャーマ (1)
  ウヤキユーバ タボラル

2. ウハラカラ クルフニヤ
  ナユシチャル クルフニ
  ウヤキユーバ タボラル

3. ミルクユバ ヌシオール
  カンヌユバ ヌシオール
  ウヤキユーバ タボラル

4. タキドゥンニ トゥルスキティ
  ナカダギニィ(2) トゥルスキ
  ウヤキユーバ タボラル

5. ミルクユバ ダギョロシティ
  カンヌユバ ダギョロシ
  ウヤキユーバ タボラル

6. ヤヤヌヤヤグトゥニ
  キブル(3) キブル グトゥ
  ウヤキユーバ タボラル

7. ターラユバ タボラレ
  マスヌユバ タボラレ
  ウヤキユーバ タボラル


・遥か彼方からやって来るあの船は
 私たちの愛おしい兄弟たちだ
 素晴らしい世を給わる

・大海原からやって来るあの船は
 なんのために やって来る船か
 素晴らしい世を給わる

・弥勒世を載せて
 神の世を載せて
 素晴らしい世を給わる

・竹富島に取り着けて
 仲嵩に引き着けて
 素晴らしい世を給わる

・弥勒世を抱き下ろし
 神の世を抱き下ろし
 素晴らしい世を給わる

・家の家ごとに
 家庭の家庭ごとに
 素晴らしい世を給わる

・俵の世を給わり
 枡の世を給わり
 素晴らしい世を給わる

(1) トンチャーマ 
 格式の高い家柄を総称する意がある
 「殿内(トゥンチ)」に愛称語の“マ”を付しています。
 ここでは、「愛おしい兄弟よ」と対訳しています。

(2) ナカダギニィ
 “竹富島に”の意。「タキドゥン」の対語。
 八重山古謡の決まりで、特定の言葉を用いた場合、
 対語(または対句)がうたに挿入されます。

(3) キブル
 “煙”の意だが、ここでは家庭と対訳しています。
 家々から立ち上る煙。
 すなわち家庭で食事の準備が行われていること光景のこと。
 「食事ができる家庭=豊かな世」の象徴ともいえます。

投稿者 takidun : September 23, 2012 09:02 AM