August 20, 2012

ムヌン(物忌)

昨日の出来事。

島民から、屋敷東面の石垣とキャーギ(イヌマキ)の間に
スズメバチが巣をつくり困っているとの相談を受け、
様子を窺ったところ、
ヒメスズメバチが見事な巣を作っていました。

上手に捕獲してゆがふ館に展示しようとの思惑でしたが、
攻撃性が高く獰猛なスズメバチのこと、
さすがに近寄りがたいために駆除することにしました。
昨日は日曜日とあってか、
多くの観光客が訪れている昼間は避け、
夕暮れ時に駆除を決行しました。

時間を費やすこと約1時間。
殺虫剤を使った駆除は成功し、
無事に巣を取り除くことができました。

SN3J0048.JPG

人に迷惑がかからないための駆除とはいえ、
殺虫剤の使用は心が痛みます。
こうした心情のなか、
ふと、ムヌンの儀式を思いだし、
蜂の亡骸と巣は海へと流すことにしました。


(ta)

ムヌン(物忌)

「みずのえ」の日を選んで行われた。
二月になると草場物忌と称して虫送りの行事をする。
その日は各戸一人ずつ田畑の作物についている害虫類をとり、
これをブンガシャー(クワズイモの葉)に包んで海へ持っていく。
そこには神司たちがいて、芭蕉の葉柄でつくった小舟に害虫を乗せ、
「パイノーラヌ島、ニーラスクの国に行って虫たちは生活せよ」と
唱えて海に流した。
昔は月毎に行われたが、昭和になってからは4回、
四季ごとにとどめられた。
すなわち2月の草場物忌、4月の穂の物忌、8月の初穂物忌、
12月の止め物忌であり、各戸一人のわりあてで浜に行き、
虫送りの行事をした。

(注)これも祭政分離のため1949年に廃止された。

引用:『竹富島誌―民話・民俗編―』 上勢頭亨 著 法政大学出版局発行


奇しくも昨日は旧暦の7月2日壬子(みずのえね)の日。
今度は、
人に見つからない静かなところで巣をつくるように。
と願いながら、蜂たちを海へと送り出しました。

投稿者 takidun : August 20, 2012 09:57 AM