ゆがふ館には、間仕切りに使っているタペストリーがあります。
これは、ただの間仕切りではありません。
島の人の手染め手織りのタペストリーは
どこを探しても見つける事は出来ないでしょう。
さて、ゆがふ館も今年で7歳、
ゆがふ館を訪れる方を出迎えていたタペストリーも
風にふかれ、人と触れ合っているうちに痛みもだいぶ目立つようになり、
私たちの手直しでは、どうしようもなくなってきました。
そこで、このタペストリー製作をお願いした、
竹富町織物事業協同組合へ再度製作を依頼しました。
今月には出来上がる予定だということで、
製作途中の民芸館へおじゃましてきました!!
「織り終わった反物がこれだよ」と
テーブルの上に広げてくれた布。
木綿と麻を織り混ぜた白色の部分と
模様になっている濃い藍染めのコントラストが
目に飛び込んできました。
ドキッとする程の白と藍色ですが、
自然の物だけを使ってるせいか、風合いはやさしく、
触ってみると、柔らかく涼しげ。
竹富島の風がさーっと吹き抜ける様子が目にうかびます。
「織っている途中の物もあるんだよ、来てごらん」と
織り機に乗っている物も見せていただきました。
こうやって一織り一織り織ってくれているんだなー。ジーン・・・・。
と感動していると、「この布は5種類の糸を混ぜて織ってるんだよ」
と教えてくださいました。
「え?1つの糸を行ったり来たりさせてるんじゃないの?」
よく見ると糸を織り上げる時に使う「ヒ」が5本。
糸の太さの違う木綿と麻も細い物と太い物とを巧みに使い分け、
この風合いをだしているのでした。
「タペストリーだからね、ちょっと透けた感じも出したかったのよ」
と、さらっと話してくれたおばさんの手は
何十年も前から伝わる伝統工芸を守り続けた、力強くも繊細な手でした。
また、前回のタペストリーの痛みのひどかった個所を踏まえ、
両端の布は少し丈夫な糸を使い、厚めに織ってあるとのこと。
そんな心遣いも嬉しいですね。
タペストリー製作も大詰めを迎えていて、
残すところ、あと1本の反物を織りあげるのみとなりました。
ゆがふ館でみなさんの目を楽しませてくれる日も近い事でしょう。