February 14, 2011

小さな島の大きな辞典

日本語の“古いかたち”を残す地域として知られ、
多くの言語学者が訪れる八重山地方。

『古事記』『日本書紀』に綴られている言葉が、
今もなお口語として用いられている地域として、
ゆがふ館にも大学、研究所から言語学者が調査に訪れています。

こうしたなか、
竹富方言(テードゥンムニ)約20,000語を収録した
『竹富方言辞典』が上梓され、いよいよ販売を開始します。

発行元の南山舎株式会社のHPアドレス
http://jaima.net/modules/guide6/content/index.php?id=145

著者の前新 透 氏は、
竹富島出身、かつ竹富中学校の教論を務め、
大勢のテードゥンヒトゥ(竹富人)を育てられました。

琉球文学、文化研究の第一人者で
『おもろそうし』の翻訳者として知られる
外間守善 法政大学名誉教授は、
前新 透 氏の一期後輩にあたりますが、
外間先生は、前新氏と竹富島について次のように記しています。


「青年初期の多感な頃の私が、畏敬の念をもって影響を受けた人に
前新透さんという竹富島出身の秀才がいたが、
その人の生れた島だというひそやかな憧れと、
エメラルドに輝く周辺の海、色とりどりの魚が群れる環礁、
白砂を敷きつめた部落の道、赤い屋根瓦のしっとりとした情緒等々が重なって、
竹富島の島の美しさは、島に渡る前から、島に渡って後まで、
さまざまに私を魅了し続けているのだが、
それらのすべての奥深くに、竹富島の深沈たる歴史があり、
その風貌を伝える呪詞、神話、伝説、古謡、狂言等々があることを知らされると、
私は、私などの筆やことばではとうてい包み得ない深淵をのぞく思いに、
身が引きしまるのであった。」

引用:『竹富島誌―民話・民俗編―』 上勢頭亨 著 法政大学出版局発行


前新 透 氏は定年退職した後、
かねてからの念願であったテードゥンムニの収集に取り掛かります。
そして、石垣島から竹富島へ足しげく通い、
今では鬼籍に入られた多くの古老から聞き取りを重ねます。

竹富島の伝統文化の底辺を支える“ことば”
このことばを後世へ伝えるための欠かすことができない
『竹富方言辞典』

発行部数は僅か500部。
竹富島を深く知りたい方には必携です。

(ta)

投稿者 takidun : February 14, 2011 12:02 PM