January 16, 2008

ピルズマ祭

 「きのとう」の日を願い日と定め、神司6名が石川家(イッキャー)
に集まる。石川大司は床の間の箱に納められた刀を二本とりだして磨き、
ニンニクをお膳に供えてニンニクの初上願いをする。そして、石川大司を
先頭に五名の司が後に続き、国仲御嶽に出発する。なお道さらい役として
男一人が手に鞭を持ち、道路上で人間に出会わないようにする。これは
道清め祓いである。もしそれに出会うならば病死すると言われていた。
 国仲御嶽から清明御嶽に参拝し、供えたニンニクの葉を味噌あえにして
食べ初め式を行ない、再び石川家に帰り、刀を納めてピルズマ願いは終了する。
ピルズマ願いは現在も部落行事として行なわれている。
 ニンニクは作物の中で一番作りやすく、根が強く張る。発芽もよく、
稔りも確実である。自分で時期を知って芽を出す作物でもある。
そこで、総ての作物がこのニンニクのようにあってもらいたいという意味から
ニンニクの初上願いがある。
出典:上勢頭 亨著『竹富島誌(民話・民俗篇)』P159~P160

 竹富島誌で上記のとおり紹介されているピルズマ祭が、1月16日に
執り行われました。
 ピルズマ祭は、神司が行なう祭事を、竹富公民館執行部が協力して行います。
竹富島誌には石川家から出発しているとの記述がありますが、
現在では竹富島まちなみ館に神司、公民館執行部が集います。
午前8時頃にまちなみ館を出発しました。

piruzuma.jpg

 現在では、道さらい役は公民館執行部により選ばれます。また、
路上で人に出会わないように、公民館執行部は前日に島内放送を行ない、
島民に注意を促します。
国仲御嶽に向かう途中、竹富小中学校の北の道が進路になりますので、
子ども達は普段より早めの登校になります。

piruzuma4.jpg
写真家の大塚勝久さんも取材に訪れました。

piruzuma5.jpg

piruzuma6.jpg

piruzuma7.jpg

国仲御嶽を参拝する神司は、ニンニクを供物とし、味噌あえをつくります。

piruzuma8.jpg

piruzuma9.jpg

piruzuma10.jpg

 道さらい役を先頭に、次は清明御嶽に向かいます。
国仲御嶽と同じく、ニンニクを供物として捧げます。

 粛々と祭事は進行し、1時間30分ほどで終了しました。

 ニンニクの生命力にあやかるこのピルズマ祭は、ある意味では奇祭
ともいえるでしょう。それは・・・

 ‘擦気蕕ぬ鬚鰺僂い禿按貪に神司の前居る人を払うこと。
◆仝耿屬砲栃饕を用い、味噌和えをつくること。
 現在では行なわれていないが、刀を用いていたこと。

 アカマタ・クロマタなどの秘祭とは異なり比較的撮影には寛容な
竹富島の祭事ですが、特にピルズマ祭では、神司の前に出て撮影する
ことや、神司を真正面から撮影することは禁止されています。
 人祓いをする理由は出会った人が病死するだけでなく、
神司の命にもかかわるとされています。

 年中祭事うちのひとつであるピルズマ祭。
この祭事にも多くの“謎”が残されています。

piruzuma11.jpg
清明御嶽境内に芽を出すニンニク
このような場所にもニンニクは自生します。
ニンニクの逞しさ、まさにその力は神事にあたります。

(ta)


投稿者 takidun : January 16, 2008 10:46 AM
コメント