旧暦2月の「みずのえ」の日に行われる二月祭。
今年は、3月19日が旧暦2月1日・壬子(みずのえね)にあたります。
二月祭は、種子入れ(タニイリ)願いともいい、作物の生長を祈願します。
神司と公民館執行部が、早朝から真知御嶽、清明御嶽(マイヌオン)、国仲御嶽(フイナーオン)の3カ所を参拝し、その後は六山(ムーヤマ)それぞれにわかれて氏神様に祈願を捧げます。
また、二月祭は、真知御嶽の神に感謝する祭事でもあります。
真知御嶽は、霊感のある兄妹を祀った御嶽で、次のような話が伝わっています。
昔、八重山在番大主がかかっていた重い病気を、兄妹の霊感でもって払い、その命を救います。
大主は兄に真戸大者(マットヌフージャ)、妹にフゾン神という神職を与えました。
二人は、謝恩のしるしとして、たくさんの穀俵を授かりましたが、
これはすべて神の導きであるからと、穀俵を六人の神司に分配したといいます。
兄妹の没後、神司たちはその墓を真知御嶽と名付け、
二月祭、四月祭、十月祭の祭事に参拝するようになりました。
このことは、真知御嶽の願口に
「にんがちたにいり、しんがちすらぷ、じゅんがちうたかびー、しだかりおーる、うーやんしゅやん」
(二月種入り、四月穂、十月崇びに、集まりなさる、大親、主親)
とあることにもうかがうことができます(『竹富島誌 民話・民俗篇』参照)。