タナドゥイ(種子取祭)の流れ 令和3/2021年度

 

    節祭(昔の正月)
    新しい季節を迎え神々に祈り、命の水に感謝する神事です。
    古来より節祭から49日目にあたるつちのえねの日を祭の日とする種子取祭に入るとされています。

    旧暦8月8日
    ユーンカイ(世迎い)
    竹富島にニライカナイの国から神々によって、種もみがもたらされるという神事を行ないます。

    つちのえねの日に種を蒔きます。 昔から、このつちのえねの日の4日前にあたる、きのえさるの日から種子取祭に入ります。

    1日目 甲申(きのえさる)
    トゥルッキと称し、祭の計画手配をします。
    玻座間、仲筋それぞれのホンジャーの前で、無事に奉納芸能を尽くせるように祈願を行ない、種子取祭の役目を責任を持って果たすことを誓います。

    2,3,4日目
    種子取祭の諸準備。踊りや狂言の稽古を行います。

    5日目 戊子(つちのえね)
    早朝からは幕舎張りなど奉納芸能の舞台づくりです。 各家では種まきを行い、イイヤチ(飯初)作りをします。 公民館役員や神司は、揃って玻座間御嶽、世持御獄、清明御獄、根原家をまわり種子取祭の祈願を行います。

    6日目 己牛(つちのとうし)
    ンガソウジといって、前日に蒔かれた種がしっかりと大地に根づくよう、精進を尽くす日。 家の主がブママンガン・ブナルンガン(姉や叔母を神とすること)を招いてイイヤチ戴みの儀式を行います。
    奉納芸能は総仕上げの日。公民館役員、三郷友会会長などはブドゥイドゥンや狂言ドゥンを訪ねて激励をします。

    7日目 庚寅(かのえとら)
    バルヒルの願いの日、奉納芸能初日。
    早朝、弥勒奉安殿では公民館役員、有志、三郷友会会長などが弥勒興しの祈願を行います。 玻座間御獄では神司が祈願を行います。両者は世持御獄で合流し、バルヒルの願い、イバン取りの儀式を行います。 それから奉納芸能の舞台で、干鯛の儀式を行います。その後、主事宅へ参詣。
    参詣の一行が世持御嶽へ戻ってきたら、庭の芸能の奉納を始めます。その後、玻座間村の舞台の奉納芸能を行ないます。 奉納芸能終了後、イバン戴みの儀式を行い、世乞い(ユークイ)を始めます。 世乞い(ユークイ)は、種子取祭を始めた根原カンドゥをまつる根原家から始まり、その後、三地区に別れ行ないます。

    8日目 辛卯(かのとう)
    午前5時、三地区に別れていたユークイの一団は、根原家で一つになってユークイどめを行ないます。 それから世持御獄へ向かい、前日に頂いたイバンの返上を行ない、ユークイは総て終了となります。
    二日目のムイムイの願いの日。幸本フシンガーラの願い日とされ、それを祝して仲筋村はシドゥリャニを奉納します。 前日同様の干鯛の儀式があり、主事宅へ参詣します9時半頃から庭の芸能を奉納し、その後、仲筋村の舞台の奉納芸能を行います。 芸能の奉納終了後、種子取祭首尾方の御礼(世持御獄、弥勒奉安殿)を行います。

    9日目 壬辰(みずのえたつ)
    早朝から幕舎の片付けを行います。午前は竹富公民館で公民館役員・有志と三郷友会(石垣・沖縄・東京)幹部との懇談会を開催します。 支払い議会もこの日に行います。

    10日目 癸巳(みずのとみ)
    種子取祭物忌(むぬん)は虫送りの日。十日目の神事で戦後しばらくまで行われていました。

    (阿佐伊 孫良)