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~ 竹富島ウェブログ ~

 

2022年6月10日

ゆがふ館前庭の主

長雨と日照不足に悩まされる八重山地方。
6月2日のユッカヌヒ(旧暦5月4日)は既に過ぎ去り、
ハーリーのドラとカネの音で梅雨明け宣言を期待していたのですが、
残念ながらいまだに降雨は止みません。

長雨の影響で気温も低く、生き物たちの活動も例年に比べ鈍かったのですが、
さすがに6月に入ると、様々な生物の姿を目にすることが出来ます。


6月1日夕刻に現れたヤシガニ

竹富島でヤシガニを見るのはさほど難しくはありません。
雑食性で食欲旺盛なヤシガニは、
時折集落内にも出現しますが、
今回登場した場所はゆがふ館敷地の南側の桟橋通り沿いです。
意外なところから現れたヤシガニの姿をみて、
ついつい車を止め、シャッターを押しました。

散歩の途中に出くわしたのか、はたまたゆがふ館の敷地内に居座る主なのか。
小さな竹富島ですが、身近なところに意外な生物が暮らしていたり、
自然界のサイクルにしっかりとヒトも含まれているのだな・・・。
と感じることができたひとときでした。

(ta)

2022年2月22日

竹富島の自然環境とは

エメラルドグリーンの海と草葉の緑黄意気盛んな竹富島。
さらに、赤瓦屋根と白砂の道の人智で創りあげたコントラストに
多くの来島者は魅了されます。

訪れる人々からは、「美しい自然環境」と称賛の声をいただきますが、
実は、島の陸域の自然環境の殆どは、
人の手が加えられた、所謂、「里山」と同じ位置づけです。


1944年(昭和19)米軍が撮影した航空写真(沖縄県公文書館蔵)


9つの御嶽の位置
・六山(玻座間御嶽、仲筋御嶽、幸本御嶽、久間原御嶽、花城御嶽、波利若御嶽)
・八山(清明御嶽、国仲御嶽)
・真知御嶽

太平洋戦争(1941~1945)終結後、本土や台湾へ出稼ぎに行っていた島民は、
終戦後の混乱によって生活の場を失い、そのほとんどが島に戻ってきます。
小さな竹富島には約2,300人ほどの人々が暮らすこととなり、
島民の食糧を確保するために御嶽と防風林以外は畑として耕作されていました。
米などの島内でまかなえない食糧は西表島まで通耕し、
大量の食糧を運ぶために西桟橋が拡張(1950)されています。

(ta)

2020年6月28日

リュウキュウクマゼミ

リュウキュウクマゼミの鳴き声が聞こえるゆがふ館。
庭で、その抜け殻を見つけました。

2020年5月12日

竹富島ゆがふ館の再開について

日本政府による新型コロナウイルス感染拡大緊急事態宣言(4月6日)

を受けて4月7日より閉館しておりました、

西表石垣国立公園竹富島ビジターセンター竹富島ゆがふ館は、

竹富町緊急事態宣言解除(5月7日)ならびに

沖縄県による緊急事態宣言一部解除(5月14日)を受け、

5月21日(木)より再開することと決まりましたので、

皆さま方へお知らせいたします。

 

今後につきましては、国内ならびに沖縄県内、

八重山圏内の感染者状況を注視しつつ、

予定が変更になる恐れがあることを予めお伝えいたします。

 

なお、竹富島内は、

竹富町緊急事態宣言が解除されたにもかかわらず、

殆どの事業者は営業自粛を継続しております。

また、竹富島住民の皆様方におかれましても、

島内のパンデミック(感染爆発)が発生しないよう

高い意識を保ちながら生活しています。

 

竹富島は小さな島ゆえ、

ひとりの感染が、多くの住民を巻き込む危険性と

常に隣り合わせの環境で暮らしているからです。

 

これからご来島いただく皆様方におかれましては、

引き続き竹富島の取り組みにご協力くださいますよう、

よろしくお願い申し上げます。

 

西表石垣国立公園竹富島ビジターセンター運営協議会

 

2018年12月22日

ツマベニチョウの幼虫

12月ですが本日の陽気はよく、日中半袖で過ごせるほど。
ゆがふ館の敷地内でツマベニチョウの幼虫を発見!
20181222TsumabeniYouchu

2018年11月16日

クロジュウジボシカメムシ

葉っぱの裏に大集合!

kurojuujiboshikamemushi

2018年7月14日

ナンバンサイカチ

ゴールデンシャワーとも呼ばれるインド原産マメ科の植物、
鮮やかな黄色の花が房状に降り注ぐように咲きます。

nanbansaikachi

2018年5月12日

リュウキュウアオバズク

ゆがふ館の前庭に数日前からかわいらしいお客様がきています。
全国的に夏鳥として飛来するアオバズクと
沖縄県内で留鳥として生育しているリュウキュウアオバズクがいるそうです。
耳羽がなく、黄色い目が丸くクリッとしており、なんともかわいらしい姿です。

アオバズク

2017年11月19日

冬支度

種子取祭も盛大に挙行し、ほっと一息つく竹富島。
昨日まで半袖で過ごせる気候でしたが、
全国的な冬将軍の到来で、竹富島もすっかり肌寒い一日となりそうです。

そんな一日の始まりに、
島の先輩から、「面白い鳥がいるので撮影しに来るように」との連絡があり、
牧場に足を運んだところ、カモのような中型の鳥が腐葉土の上で餌を啄んでいます。
確かに、竹富島では滅多にお目に掛かれない鳥です。
調べてみると、ツル目クイナ科のオオバンという鳥でした。

DSC_0026

DSC_0038
残念ながら、上等な写真は取れませんでした・・。

「オオバン」
沖縄県内各地に留鳥として生息し、
方言名で「クミラー」と呼ばれるバンの近縁種であるが、
ひと回り大きく中型のカモとほぼ同大。
全体が黒く、特に額(額板)とくちばしが白いので
バンとの区別は容易である。
ほとんど水面で活動しているので、泳いでいる姿を見ることが多い。
県内には、冬季に渡来し、ダム湖や湖沼で越冬する。
【 参照:改訂版『沖縄の野鳥』- 沖縄野鳥研究会編 - 】

気がつけば、
アカショウビンの鳴き声も聞かれなくなり、
サシバの勇壮な姿も見なくなり、
北からは馴染みのない渡り鳥がやって来ています。

今日は、冬支度を始める一日でもありそうです。

(ta)

2017年4月1日

「竹富島憲章」

毎年3月31日は、18歳以上の竹富島民が会員である
竹富公民館定期総会の日にあたります。
平成28年度竹富公民館定期総会では、
制定30周年を迎えた「竹富島憲章」を改定し、新たな文言で憲章を制定しました。
今回は、理念や精神はそのまま引き継ぎつつ、
現在の暮らしに沿った文言に改定された、「竹富島憲章」をご紹介します。

B4憲章

「竹富島憲章」
平成29年4月1日 地縁団体法人 竹富公民館

・前 文
私たちが、祖先から受け継いだ、
まれにみるすぐれた伝統文化と美しい自然環境は、
国の重要無形民俗文化財(※1)、重要伝統的建造物群(※2)、重要文化財(※3)として、
また国立公園として、
島民のみならずわが国にとってもかけがえのない貴重な財産となっている。
私たち竹富人は、
無節操な開発、近代化にともなう破壊が島の心までをも蹂躙することを憂い、
これを防止してきたが、
美しい島、
誇るべきふるさとを活力あるものとして後世へと引き継いでいくためにも、
あらためて「かしくさや うつぐみどぅ まさる」の心で
島を活かす方策を講じなければならない。
私たちは今後とも竹富島の文化と自然を守り、
住民のために活かすべく、ここに竹富島住民の総意に基づきこの憲章を制定する。

※1「竹富島の種子取」昭和52年(1977)5月17日指定
※2「竹富町竹富島重要伝統的建造物群保存地区」昭和62年(1987)4月28日選定
※3「旧與那國家住宅」平成19年(2007)12月4日指定

・保存優先の基本理念
竹富島を活かす島づくりは、すぐれた文化と美しさの保存が
すべてに優先されることを基本理念として、次の原則を守る。

1.「売らない」島の土地や家などを島外の者に売ったり、無秩序に貸したりしない。
2.「汚さない」海や浜辺、集落など島全体を汚さない。また、汚させない。
3.「乱さない」集落内、道路、海岸などの美観を、広告、看板、
        その他のもので乱さない。また、島の風紀を乱させない。
4.「壊さない」独特の農村集落景観、美しい自然環境を壊さない。
        また、壊させない。
5.「活かす」 伝統的祭事行事を、島民の精神的支柱として、民俗芸能、
        地場産業を活かし、島の振興を図る。

一、美しい島を守る
竹富島が美しいといわれるのは、
沖縄の古い農村集落景観を最も良く残し、美しい海に囲まれているからである。
これを保つために次のことを守り、守らせる。

1.建物の新・改・増築、修繕は、伝統的な技術と様式を踏襲する。
2.屋敷囲いは、サンゴ石灰岩による従来の野面積みとする。
3.広告、ポスター等は、むやみに掲示しない。
4.樹木は、伐採せず植栽に努める。
5.交通安全、道路維持のために、集落内への車両乗り入れを極力避ける。
6.海岸、道路などにゴミ、空きカン、吸い殻などを捨てない、捨てさせない。
7.空き家、空き屋敷の所有者は、地元で管理人を指定し、清掃及び活用を図る。
8.観光客のキャンプ、野宿は禁止する。
9.草花、蝶、魚貝、その他の生物をむやみに採取することを禁止する。

二、秩序ある島を守る
竹富島が、本土や本島にない魅力があるのは、
その静けさ、秩序のとれた落ち着き、善良な風俗が保たれているためである。
これを保つために次のことを守り、守らせる。

1.島内の静けさを保つために、物売り、宣伝、車両等の騒音を制限する。
2.海水浴場等以外での水着、裸身は禁止する。
3.標識、案内板等は公民館の許可を得て設ける。
4.車輌は、常に安全を確認しながら徐行する。
  また、環状線においては安全速度を遵守する。
5.島内の清掃に努め、関係機関による保健衛生、防火訓練を受ける。
6.水、電気等資源の消費は最小限に努める。
7.映画、テレビ、その他マスコミの取材は公民館へ届け出る。
8.自主的な防犯体制を確立する。

三、観光関連事業者の心得
竹富島のすぐれた美しさ、豊かな人情と魅力をいかすには
旅館、民宿、飲食店等、また、施設、土産品店、運送業など
観光関連業事業者の規律ある接遇は大きな影響がある。
観光業もまた島の振興に大きく寄与するので、従事者も次のことを心得る。

1.島の歴史、文化を理解し接遇することで、来島者の印象を高める。
2.客引き、リベート等の商行為は行わない。
3.運送は、安全第一、ゆとりをもって行う。
4.看板は、公民館の許可を得て設置する。
5.賭け事等はさせない。
6.飲食物は、できるだけ島産物を使用し、心づくしの工夫をする。
7.23時以降は、島の平穏に努める。
8.土産品等は、島産品を優先する。
9.来島者に本憲章を理解してもらい、協力をお願いする。

四、島を活かすために
竹富島のすぐれた良さを活かしながら、住民の生活を豊かにするために、
牧畜、養殖漁業、養蚕、薬草、染織原材料など一次産業の振興に力を入れ、
祖先から受け継いだまちなみや伝統工芸を活かし、祭事行事、芸能を守っていく。

1.伝統的祭事・行事には、精神的文化を学び、積極的に参加する。
2.伝統工芸に必要な諸原料の栽培育成を促進し、原則として島内産物で製作する。
3.創意工夫をこらし、技術後継者の養成に努める。
4.まちなみを形づくってきた技術、経験を継承していく。
5.観光業は、島本来の姿を活かしながら推進していく。
6.製作、遊び、行事などを通して子ども達に島の心を伝えていく。

五、竹富島を守るために
竹富島は、もともと島民が、
こつこつと積み上げてきた手づくりの良さが評価されてきたのである。
外部の資本が入れば島の本質は破壊され、
民芸や観光による収益も住民に還元されることはない。
集落景観保存も島外資本の利益のために行うのではないことを認識し、
次に掲げる事項は、事前に公民館と調整委員会に届け出なければならない。

1.不動産を売買しようとするとき。
2.所有者が、名義を変更しようとするとき。
3.土地の地番、地目、地積に異動が生ずるとき。
4.賃貸借をしようとするとき。
5.建造物の新・増・改築、取り壊しをしようとするとき。
6.その他風致に影響を及ぼす行為がなされようとしているとき。

この憲章を円滑に履行するために、
公民館内に集落景観保存調整委員会を設け、
町、県、国に対しても必要な措置を要請する。

昭和61年(1986)3月31日制定
平成29年(2017)3月31日改定

※ 参考 竹富町民憲章
昭和47年(1972)「竹富島を生かす憲章案」
昭和46年(1971)「妻籠宿を守る住民憲章」
上記の精神を引き継ぎ、修正、追加を行い、案を作成した。


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