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2015年09月のブログ記事

2015年9月27日

台風21号の来襲と十五夜

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今日は仲秋の名月が浮かぶ旧暦の8月15日。

残念ながら台風21号が接近中の八重山地方です。

台風の襲来がなければ、島を挙げての十五夜祭が行われる予定でしたが、

今年の十五夜の式典は中止となりました。

しかし、集落ごとの旗頭への祈願は執り行います。

龍の旗頭を司る西集落では、11時30分を祈願の時と定めて住民が集い、

旗頭への参拝と、旗頭を担ぎ集落を練り歩きました。

儀式を執り終えると、捧げられた供物を皆でいただき余興を愉しみます。

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2時間程度の十五夜となりましたが、

集う島民の笑みは今年も変わりません。

十五夜の儀式を終えると、台風21号がもたらす豪雨と暴風に備え、

台風対策が始まります。

(ta)

 

 

2015年9月20日

ユーンカイ(世迎い)とシチマツリ(節祭)

本日、9月20日は

旧暦8月8日で干支は「つちのとゐ」の日にあたります。

竹富島では

旧暦8月8日に執り行うユーンカイ(世迎い)と、

つちのとゐの日に執り行うシチマツリ(節祭)が同日に行われています。

 

午前7時、竹富公民館執行部と神司は西桟橋とコンドイ浜中間に位置する、

トゥードイ浜のニーランカントゥイ(神石)前よりユーンカイの祭祀を執り行います。

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ユーンカイは、ニーラスク・カネーラスクより来訪した神々から種子籾を授かり、

ハヤマワリハイタチの神に頼んで、クックバー(小底場)にのぼって

種子籾を八重山中に配ったとの伝承に由来します。

ユーンカイでは、

竹富公民館役員と神司しか足を踏み入れることができない

竹富島最高の聖地であるクックバーにのぼることと、

神司が黄金色のバシャシンを身にまといます。

 

神司が黄金色のバシャシンを身にまとうことは、

ユーンカイとタナドゥイ(種子取祭)、トゥヌイプイ(豊年祭二日目)と

年に3度しかありません。

それぞれの祭祀には神歌があり、

ユーンカイ=「トンチャー」

タナドゥイ=「世乞い唄」

トゥヌイプイ=「豊年祭の道唄」

ユーニンガイ(世願い・新しい世の意)の祈願であると考えられます。

 

新たな世を迎え、豊かな世の中になることを願う思い。

小さな島で、痩せた大地に暮らす竹富島の人々は、

年に3度も「新しい世」の到来を祈願し、心待ちにしていたのでしょう。

 

ニーランでの祈願を終えた竹富公民館執行部と神司は、

仲筋村に入り仲筋村住民と共にガーリを舞い、

幸本御嶽と東側のクックバーへ参拝します。

その後、玻座間村に入り、仲筋井戸の前で玻座間村住民とガーリを舞ったのち、

西塘御嶽前でガーリを舞い、ユーンカイの祭祀は終了します。

 

ユーンカイを執り終えた竹富公民館執行部と神司は、

直ちに節祭の祈願を執り行います。

国仲御嶽、西塘御嶽、清明御嶽、ネーレ(根原屋)を参拝し、

特にネーレでは、タナドゥイの祈願の日が49日後に行われることを

ザー(床の間の神)にお知らせします。

しばしの休憩後、午後1時より一行は分担して25か所の井戸を参拝します。

シチマツリはいにしえの正月と云われ、土地を清め井戸に感謝する祭で、

往古は3日間にわたった執り行われていました。

DSC07997 玻座間御嶽神司:ミシャシカーでの参拝

DSC07992 仲筋御嶽神司:コインカーでの参拝

DSC07982 久間原御嶽神司:ガイセンカーでの参拝

DSC08003 花城御嶽神司:ミッチンガーでの参拝

DSC07983 波利若御嶽神司:スンナーカーでの参拝

25か所の井戸の参拝を執り終えたのち、

竹富公民館執行部は、與那國家、大山家の当主、有志と共に

18時より彌勒奉安殿にて弥勒の参拝を行います。

奉安殿の扉は年に7度開きますが、ミルク神の御面がお出ましになるのは

そのうち3度。そのひとつがシチマツリです。

(ta)

 

 

2015年9月19日

本日より 気ままに集落散策

突然の、ご連絡で大変申し訳ございません。

本日19日、明日20日の二日間、集落散策を行います。

ガイドはゆがふ館スタッフが行います。

無料ですので、お気軽にご参加ください。

時間 9:30~12:00

場所 竹富島ゆがふ館

*解散場所 島内

定員 10名

飲み物、タオルなどはご持参ください。

歩きやすい格好でご参加ください。

問い合わせ 0980-85-2488(ゆがふ館)

 

2015年9月17日

【予告】 「種子取祭2013」展の開催について

プリント

10月1日(木)から11月30日(月)の2か月間、

竹富島ゆがふ館テードゥンギャラリーにおいて

写真家の高桑常寿氏による「種子取祭2013」展を開催いたします。

会期中には2015年度の種子取祭(11月4日~11月12日)も挙行されますので、

前もってタナドゥイの雰囲気をゆがふ館で感じることができると思います。

多くの皆さまのご観覧をお待ちしております。

 

2015年9月15日

結願祭

旧暦8月最初のみずのえ・みずのとの日を選んで執り行う竹富島の結願祭。

一年間の願いを解く「願解き」の祭とあり、

島内23か所の拝所を参拝する大変忙しい祭です。

祭主である竹富公民館執行部は、これらの参拝を滞りなく執り行うばかりでなく、

清明御嶽で行われる奉納芸能をつつがなく挙行できるよう手配します。

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そのためには、多くの人々の協力が必要です。

竹富島には「大祭」と呼ばれる祭が年に3回

(四月大祭、西塘大祭、九月大祭)ありますが、

結願祭は、それ以上に多くの人員を要します。

早朝、6時間をかけて弥勒奉安殿からはじまる参拝の末尾は、

ネーレ(根原屋)のザー(床の間)の前。

その合間、

清明御嶽に設けられたクーバンヤー(供物屋)では、

供物係が時間を惜しんで供物を準備し、

まちなみ館では下げられた供物や道具の片付けを行います。

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竹富島最大の祭、

種子取祭はもっともっと多くの人々の協力が必要ですが、

多くの人が携われば携わるほど、

島には祭の雰囲気が香り、竹富島らしさを感じることができます。

9月13日・14日の2日間、竹富島を訪れた方々が、

結願祭から醸し出される「島の香り」を感じていただけたら、

大変嬉しく思います。

(ta)

 

2015年9月11日

国仲御嶽の夕べ

1年間の願いを解く祭祀、結願祭を間近に控える竹富島。

祭を前に島内の御嶽はそれを迎える準備が始まっています。

台風13号・15号で大きな被害が出た国仲御嶽ですが、

竹富公民館執行部および有志のご尽力によって美しい姿を取り戻しています。

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鬱蒼とした繁みがなくなり、日差しが入る光景には違和感がありますが、

あちらこちらにフクギやテリハボクの幼木の姿が窺え、

これも長い年月をかけて元に戻っていくことでしょう。

国仲御嶽に祀られる園比屋武の神は、

500年もの歳月を経て、この輪廻をご存じであるかと思います。

(ta)


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